また陰謀論が出てくるのかな?

国籍法改正案まとめWIKIというページがある。「まとめWIKI」と名前が付いているが、中身は電波系そのものである。ここに『最高裁判事への「弾劾裁判の訴追請求」など』というページがあって、そこに以下の記述がある。

6月の最高裁違憲判決は、司法による立法行為ではないでしょうか?
それに賛同した裁判官に罷免を求めるものです。
その違憲判決そのものからひっくりかえそうじゃないかと。
それを基に受けた法案なんだから白紙に出来るんじゃないでしょうか

なかなか芳ばしい内容である。で、このページの情報元とされているページを覗いていると、これまた芳ばしい記載がてんこ盛りである。たとえば情報元として最初に挙げられているページの記述が以下。

http://ram-at-yahoo.iza.ne.jp/blog/entry/817834/
更に、次のエントリで「ひな形」で示しますが、今回の請求主旨は
平たく言うと「あなた方国会議員は、裁判官から無能扱いされました。
我々国民が選んだ議員を、選ばれてもいない判事が馬鹿にすることは
民主主義原則から言っておかしいのではないですか?
このまま放置すると、あなた方国会議員は司法より下位になりますよ。
国民は、それを望んでいないから、善処してね。」と言うことになります。

実際、今回の国会の動きを見れば、違憲判断が出されただけで
国会議員が思考停止になり、右往左往して、自ら司法の下位に落ちています。
これは、危険です。三権のバランスが壊れたのです。

日本国憲法は、最高裁判所に「一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限」を与えている。違憲判断に関しては、国会より最高裁の方が上位なのである。「あなた方国会議員は司法より下位になりますよ」と言われても、言われた議員は(極一部のトンデモ議員を除いて)「それが何か?」としか返しようがないのではなかろうか。当該ブログのコメントやトラックバックを見ると、このような主張に賛同している人がいて、なかなか驚かされる。
このような訴追請求が通らないのは火を見るより明らかであるが、そのような結果が出たとき、彼らはどのような反応を示すのだろうか。光市事件弁護団懲戒請求の時のように「身内の庇い合い」と言って逃げるわけには行かないから(裁判官弾劾裁判を行なうのは国会である)、陰謀論ぐらいしか逃げ道はないように思える。
トンデモさんの主張に基づけば、世の中は陰謀まみれである。右を向いても左を向いてもみな陰謀。それが事実なら、およそ世の中の(トンデモさん以外の)人は陰謀を企むのに手一杯で、他のことなどできないのではないか。「陰謀ヒマなし」とはまさにこのことである。