ラッキーセブンの3!

今のパチンコ機の主流は昔で言う所のデジパチで、特定の入賞口に入賞すると抽選が行なわれ、その抽選に当選すると大当り入賞口が一定時間(規定入賞個数に達した場合を除く)×一定回数開き、出玉を獲得する、というタイプです。もちろん普通機(いわゆるチューリップ台)も存在しますし、羽根物(いわゆるヒコーキ台)も少なくない台数がリリースされていますが、全体から見ると少数派にとどまります。
そのいわゆるデジパチ機、昔ながらのドラムタイプや7セグLEDタイプも存在しますが、多くの台は前面に液晶パネルが搭載され、それを利用して各種の演出を行い、同じ絵柄が揃えば大当り、という形を採っています。さてこの前面にある液晶パネル、実はただの演出用で、本当の抽選結果表示は台の隅っこに置いてあるセグやラウンドランプだったりするんですが、そのお陰で本当の抽選結果表示ではできない演出、たとえば通常大当りとみせかけて実は確変大当りでラウンド消化中に昇格演出を入れる、なんてことが出来たりします。というか、その「本来の抽選結果とは異なる結果を表示する」という演出を入れたいがために、本当の抽選結果表示を隅っこに追いやってど真ん中に演出用液晶を持ってきたんでしょうけど。
その演出用液晶に表示される「これが揃ったら大当り」となる図柄ですが、基本は数字で、機種により特殊絵柄がある、というのが一般的です。たとえば冬のソナタでは数字に加えて「冬」「ソ」「ナ」「タ」という特殊絵柄があります。特殊絵柄は機種によるので置いておいて、数字図柄についてですが、どの図柄だろうと「揃ったら大当り」という点は変わりません。ですが、それ以外の点については価値に違いがあります。
一番価値があるのは「7」。いわゆるラッキーセブンで、大抵の機種で一番重要な図柄になっています。通常大当りと確変大当りがある機種では、7はまず確変図柄です。7が確変図柄でない機種は、あったとしても極めて少ないでしょう。また、大当りラウンド数が数種類ある機種、たとえば5ラウンド大当りと15ラウンド大当りのある機種では、7は15ラウンドの期待が高い(もしくは確定する)図柄になっています。
次に価値があるのは「3」。これも大抵の機種で確変図柄です。ただ7ほど強くはなく、「7が揃えば15ラウンド確定だが3はそうではない」という機種は存在します。その次は「1」「5」「9」。基本的に、通常大当りと確変大当りがある機種では、奇数図柄が確変図柄になる場合が多く、そのため159が確変図柄である機種は多いです。もっとも、この9図柄が存在しない機種も多いんですが。
これら奇数図柄に比べると偶数図柄はワンランク落ちます。大抵の機種で通常絵柄だからです。まあ、大夏祭りのように8が確変図柄という機種も存在しますが。これは、名前の通り祭りという古式床しい行事を題材としているため、8という、日本ではラッキーセブンにあたる縁起のいい数字(末広がり)を通常図柄にしたくなかったのでしょう。
以上は一般的な傾向ですが、当然その傾向から外れる機種もあります。その理由は、大抵がその機種の原作に基づくものです。たとえば銀河鉄道999。この機種の大当り確率約100分の1の機種、いわゆる甘デジタイプの台ですが、この機種の大当りラウンドは5ラウンドと15ラウンドがあります(2ラウンドもありますが図柄揃い演出が出ないので置いておきます)。で、これには15ラウンド大当りが確定する図柄がありまして、それは7ではなく9。つまり999と揃えば15ラウンド大当りが確定します(9以外で15ラウンドの場合もありますが)。理由はもちろん、銀河鉄道「999」だからですね。
まあそのような特殊なケースを除くと、普通は一番重要な図柄が7、次に3、以下他の奇数図柄と続き、その下が偶数図柄となり、それは何らかの原作を持つ機種の図柄へのキャラの割り振りに顕著に現れます。漫画を原作とする機種では、たいてい主人公は7に割り振られています。たとえば新世紀エヴァンゲリオンではシンジ君が7で、北斗の拳ではケンシロウが7です。
もっとも、「7=主人公」には結構例外があって、前述の銀河鉄道999では7は鉄郎でなくメーテルだったりします。また、原作上7を主人公しにくい機種もあります。それはサイボーグ009なんですが、この機種の図柄は0から9まであります。これに登場人物を割り振るわけですが、そうなれば1〜9に001〜009を割り振るのが当然でしょう。実際その通りになっています(ちなみに0はギルモア博士)。
1〜9が001〜009というのは原作上は自然なんですが、そのためにちょっと残念になっている図柄があります。主人公の島村ジョーが9図柄、これはまあいいでしょう。奇数なので自然に確変図柄になっています。7図柄は007であるグレートブリデン。本来なら主人公のジョーにしたかった所なんでしょうが、まあ彼も人気キャラの一人ですから十分なレベルですね。3図柄には紅一点のフランソワーズ、これは上手く入りました。1図柄は001であるイワン。彼もかなり個性の強いキャラなので、確変絵柄にははまっています。
ちょっと残念なのが5図柄。当然005であるジェロニモなんですが、彼はそんなに人気のあるキャラではありません。しかし005であるおかげで人気キャラである002や004を抑えて確変図柄になりました。6や8はまあこんなものなんですけど、2と4がつらい。ジェットやハインリヒって、下手したらジョーを上回る人気キャラなのに通常図柄です。
このように銀河鉄道999やサイボーグ009は主人公が7でないんですが、しかしこれらの機種はまだましです。7ではないにしても確変図柄ですから(鉄郎は3)。しかし珍しいことに、漫画を原作としていながら主人公が7はおろか確変図柄でない機種が存在します。その機種はうる星やつら
7はラムちゃんです。で、主人公のあたるは、なんと6です。奇数ですらありあせん。まあ7があたるでなくラムちゃんなのは仕方のない面があります。銀河鉄道999で7がメーテルのようなものでしょう。しかし、しのぶやサクラさんに負けるだけでなく、比較的後で出てきた竜之介に負けるとは、あたるって漫画史上最も情けない主人公の一人ではないでしょうか。