弁護団に謝罪しないといけない

光市母子殺害事件弁護団の一人である今枝仁さんがブログを開設された。
弁護士・人間・今枝仁
今枝弁護士はこのブログで更新意見書を複数回に分けて掲載されている。このブログは誰でもコメントできるようになっていて、更新意見書を読んだ方の様々な意見が掲載されている。
さて、実は私は、弁護団の主張を非常に説得力のないものだと感じていた。このような主張では裁判官を説得できないのはもちろんのこと、一般人すら説得できないと思っていた。一般人すら説得できない主張で、裁判官を説得するなどできるのだろうか。ずっとそんな思いを抱いていたのだが、「弁護人の更新意見書 3」に付けられた冬西さんのコメントを見て愕然とした。

ただし気絶している被害者に馬乗りになりレイプしていて気づかれたばあいに、口を塞ごうとてすれば手は自然に逆手になります。
よって弁護側の鑑定は強姦致死を示唆していると思われます。

さて、今回の事件では、母親を殺めたことに対して検察側は「殺人+強姦」であると主張している。それに対する弁護側の主張は「殺人ではなく傷害致死だ」というものである。殺人罪の法定刑の最高が死刑であるのに対し、傷害致死罪の法定刑に死刑はない。傷害致死罪は重い罪ではあるが、殺人罪に比べれば格段に軽い罪といえる(あくまで比較の問題である。殺人罪だって外患誘致罪に比べれば格段に軽い罪だ。)。しかしこの主張で「なるほど殺人罪という重い罪なのではなく、傷害致死罪という軽い罪だったのだな。」と判断する人がいるとは思わなかった。しかし冬西さんは言う。

よって弁護側の鑑定は強姦致死を示唆していると思われます。

殺人罪の法定刑の最高が死刑であるのに対し、強姦致死罪の法定刑に死刑はない。強姦致死罪は重い罪ではあるが(なにせ、法定刑の最高は無期懲役である。)、殺人罪に比べれば格段に軽い罪といえる。そして冬西さんは弁護団の主張を聞いて、「なるほど殺人罪という重い罪なのではなく、強姦致死罪という軽い罪だったのだな。」と判断したのだ。
おそらく一般人である冬西さんを説得できたからといって、裁判官を説得できるとは思えない。しかし私の、「裁判官はおろか一般人すら説得できない」という判断が誤っていたことは明らかになった。私が内心で思っていただけのことなので、知らん振りしていたらばれない誤りであるが、それは私のモラルに反する。
なのでここに、「裁判官はおろか一般人すら説得できない」という意見を撤回し「一般人はともかく裁判官は説得できない」に変更するとともに、弁護団に謝罪の意を示したい。