トンデモさんの思考回路

トンデモさんの中に「相ま系」といわれる人たちがいる。「相対性理論は間違っている!」と主張する人たちのことである。この相ま系の中に窪田登司さんという方がいて、『アインシュタイン相対性理論は間違っていた』『「相対論」はやはり間違っていた』等の本を書かれている。相ま系の人なので当然間違っているのだが、どこが間違っているのかについてはaxionさんという方がわかりやすく説明している。
アインシュタインの相対性理論は間違っていたは間違っていた
「相対論」はやはり間違っていたはやはり間違っていた
さてその中で、窪田氏の間違いとして以下のことが指摘されている。

著者は『静止系と慣性系』を区別するという名目で、次のような実験を提案しています。2つのレーザーを『同時に』発射し、中央で衝突したらこの装置は止まっているそうです。
 □→     |     ←□ 
レーザー   中央点   レーザー
反論は簡単です。『同時に発射させる方法』を聞けばいいだけです。中央から時計あわせの信号を送ったりすると『必ず中央で衝突する光を出すレーザー対』になってしまいますけど。

(強調はsci98による。また、元がテキストファイルでhtmlに合わないため、改行位置の変更等を行っている。)
見事に的を射た指摘であり、窪田氏がどこを間違ったかが非常に明確になっている。
さて、話は飛んで光市母子殺害事件であるが、粉雪中毒患者1号という方が粉雪中毒患者のカルテというブログの9月12日のエントリーで以下のようなことを書かれていた。

現行犯や状況証拠から明らかに犯罪者で、本人もそれを認める事件を無罪にすることが弁護士の仕事なのですか?

(これは修辞疑問文である。)
これに反論するのは簡単だ。『「現行犯や状況証拠から明らかに犯罪者で、本人もそれを認める事件」であることを明らかにする方法』を聞けばいいだけである。訴追者の出した証拠や被告人の自供だけで判断するわけにはいかないのは歴史が証明しているので(*1)、中立者の前で訴追者と被告人を対等な当事者として弁論させ、さらに一個人でしかない被告人が名実ともに「国家機関であり法律の専門家である訴追者」と対等の立場にたてるように『世間の風に流されず、さらに自分が「被告人はクロだ」と確信していてもそんなことはおくびにも出さず、ただひたすら被告人の味方をする法律の専門家』を付ける、などとしたら今の刑事裁判と同じものになってしまうが。

(*1)…もっとも、歴史による証明は一部の人には無力である。歴史は鑑とならず、繰り返すのみ。