テクニカルターム

今日もYosyanさんのブログからのネタである。いつもいつも他人のブログからばかりネタを拾ってきていいのかとは思うが、楽だからいいや。ともかく、今日目にとまったのはYosyanさんが書かれた以下の文章である。

ここで民法643条では「法律行為」を委託することを委任としています。これが言葉通りなのは弁護士などの法律家になります。

実はここでいう法律行為とは、そういう意味ではないのだ。ここでいう法律行為とは「一定の法律効果の発生を欲する者に対してその欲するとおりの法律効果を生じさせるための仕組みないし法制度(法律学小辞典)」のことである。つまり、コンビニで物を買うのも立派な法律行為である。ちなみに昨日のエントリーの校長の言葉に激怒して辞任した医師は公立校医である。
どんな分野にもその分野の専門用語というものがある。野球には野球用語があるし、サッカーにはサッカー用語がある。木こりは斧用語を使うし和牛商法では牛権用語を使う。港湾で使うのは港の用語ヨコハマヨコスカだ。
同様に法律には法律用語がある。それには当然法律ならではの意味があるから、そのままの一般的な意味にとることは出来ないのだ。特に元々専門用語でしかなかったものが一般用語化した場合要注意である。そのような言葉はいくらでもある。
「駄目」は元々囲碁用語だし「降板」は野球用語だ。「舅」はサッカー用語で「めくらまし」は差別用語で「おめこぼし」は放送禁止用語だ。このような言葉を元々の分野で使う場合、一般用語の意味では使わない。たとえば野球で、その日とても調子が悪い選手がいて代打を出されたとしても、その選手が「降板した」とは言わない。野球では「降板」は投手に対してだけ使うからだ。
話を戻して法律解釈をする場合は法律用語は法律用語として解釈しなければならないのであるが、考えてみればこれは簡単な事ではない。そもそも、法律を解釈するにあたって条文だけ読んで解釈するのは法律学では禁忌である。それに加えて法律用語にまで気を配らないといけないというのたからその労力は筆舌に尽くしがたい。
これはなんとかならないのだろうか。法律を作っているのは国会で、国会は一般市民の代表なのだからなんとかしてほしい。一例として法解釈の基本に特別法は一般法に優先するというのがあり、たとえば医療行為で医師法民法が食い違ったら医師法が優先するのだが、こんなことは民法医師法をいくら読んでもでてこない。
確かに現在ある大量の法律を改正するのはコストがかかりすぎるかもしれないが、それならばせめて法律の解釈について法定化できないものか。ずはり「法律の解釈に関する法律」を作るのである。もちろんこの法律の解釈は別途必要だが、それは「法律の解釈に関する法律の解釈に関する法律」を作ればよい。もちろんこの法律の解釈には「法律の解釈に関する法律の解釈に関する法律の解釈に関する…