校内検診でドクハラ騒ぎ

Yosyanさんのブログで紹介されていたことであるが、北海道の高校の校内検診でドクハラ騒ぎがあったらしい。校内検診を受け持った男性医師が、女子生徒の検診の際に胸の大きな子だけブラジャーを外させたり触診と称して胸をつかんだらしいのだ。
今までなら泣き寝入りしていた所である。しかし彼女たちは違った。男性医師に触診と称していやらしく触られたことを決して忘れなかった。触診忘れるべからずである。ちなみにこのネタを使うのは四回目である。そして彼女たちは学校に対して抗議行動を起こし、臨時全校集会の場で校長に謝罪を迫ったのである−
…ってあたりなのだが、実はこれ、生徒たちの勘違いである。男性医師の行為は普通の検診行為だ。胸の大きい子だけ胸を触られたといっても、内科検診で聴診器を当てる際に、胸の大きい子は乳房が邪魔になるから仕方ないのだ。胸の小さい子は乳房が邪魔にならないからとか書くと私が配偶者に刺されるから書かないが、まあそういうことだ。
今回の騒ぎが生徒たちの無知に基づく誤解であることは道教委も指摘しているし、男性医師から事情を聞いた校医も問題なしと校長に報告している。校医は名医というぐらいだから、この判断は信用できる。
生徒たちが無知ゆえ誤解してしまったのは同情の余地がある。なんといってもまだ子供、子供に知識を与えるのは大人の役目である。となると、今回の騒動は生徒たちに正しい知識を教える良い機会だ。また、無知に基づく誤解により他人を批判するなど大の大人なら到底許されない愚行であることも合わせて教えられる。しかるに、この学校はどうしたか?なんと、全校集会で校長が「医師が未熟であり不適切であった」と謝罪してしまったのだ。
…ちょっと待て、何考えてるんだこの校長は?校医はこれに激怒して辞職したそうであるが、当たり前である。医師に対する侮辱が批判されるのは当然として、生徒たちのことをどう考えているのか。このような常識を教えられず育って後で困るのは生徒たちである。校長には猛省を促したい。
とはいえ、この問題は生徒たちに正しい知識を与えるだけでは解決しないかもしれない。いくら正しい知識を持っていても、知らない男性に身体を触られたくないというのは感情の問題だからだ。これが大の大人なら、理性で感情がコントロールできないなど人間失格であるが、相手はなんといっても子供である。正しい知識を教えるのは教えるとして、その上で感情が勝ってしまう分については大人が配慮すべきだろう。今回についても、女子生徒の検診については女性医師だけにやらせればよかったのではないか。実際、協力医のメンバーには女性医師も一人いたのである。一人では女子生徒全員の検診をするには少ないように思えるが、そんなことはない。分身の術を使えばいいのだ。女医だって医師なのだから、忍者の技である分身の術は使えるはずだ。医は忍術、というぐらいだから、ってそのオチは他所で使ったってば。