ミヤネ屋の動画が削除されまくっている件について

毎日新聞Mainichi Daily News掲載のコラムWaiWaiで不適切な変態記事が幾年にもに渡り垂れ流され続けていた問題がミヤネ屋で取り上げられ、その内容がニコニコ動画やYouTubeにアップされていたのですが、ニコニコ動画にアップされたそれらの動画が権利者の要請により削除されまくっているようです。
ミヤネ屋 2008年7月3日放送 毎日新聞ヘンタイ記事 by あるみな - ニコニコ動画
まずですが、ミヤネ屋はよみうりテレビ制作の番組ですから、それを権利者の許可なく転載してはいけません。WaiWaiに多々問題があるのは確かですが、だからといって他者の権利を侵害していいとはなりません。たとえ毎日新聞の権利であってもです。それはそれ、これはこれです。まして、ミヤネ屋の権利者はよみうりテレビで、毎日新聞とはなんの関係もない第三者です。WaiWaiに問題があるからよみうりテレビの権利を侵害しましたというのは、西濃運輸のターミナルから荷物を盗み出したグリーンピースジャパンの言い分と同じです。
なので、よみうりテレビの許可を取らず当該映像を転載することは決してほめられたことではないし、それに対してよみうりテレビが削除要請することは批判にあたりません。よみうりテレビ側としては、事後あるいは暗黙に了解して転載され続けるようにすることはできますが、そのような選択をしなかったとしても批判されるようなことではないからです。
ただ、これに関して一点だけ気になる点があります。それはネットでの噂に過ぎないのですが、ニコニコ動画のミヤネ屋の映像が削除されまくっている件について、「毎日新聞側が火消しに必死になっている」という意見が出されています。
毎日新聞の変態ニュースを追及する動画が一斉削除される!! - ニコニコ動画
コメントを見ていただければわかりますが、これらの削除を「毎日新聞の申し立てによるもの」と判断されている方が多いようです。私にはその推測が正しいかどうかを判断するすべはありませんが、仮に(あくまで仮に)これが毎日新聞の要求によるものだとすると、毎日新聞が何を考えているのかわからなくなります。ミヤネ屋はよみうりテレビ制作の番組ですから、権利者の申し立てにより削除されたということは、よみうりテレビが削除を申し立てたはずです。これが毎日新聞の働きかけということならば、可能性は二つあります。

  1. 毎日新聞が、自分が権利者だと偽って削除を申し立てた
  2. 毎日新聞が、よみうりテレビに削除を申し立てるよう働きかけた

(1)の可能性は極めて低いといってよいでしょう。ウソついてるだけですから。そのようなことを大手新聞社である毎日新聞がしているとは思えません。したがって、(2)の可能性が高いことになります。この場合、働きかけられたよみうりテレビがどうするのかはよみうりテレビの自由です。働きかけを無視してもいいし、応じてもいい。どちらを選ぼうとよみうりテレビが批判される理由はありません。また、毎日新聞についても、削除を申し立てるよう働きかけただけなら強く批判されるような問題ではないと思います。
そもそも、よみうりテレビの許可なくアップすることに問題があります。権利者であるよみうりテレビに許可を取ってアップすればこのような問題は起こりません。無許可で転載して削除されても、それは許可なくアップしたことが原因です。アップした側が文句言える部分などどこにもありません。
ただその場合疑問に思うのは、なぜ毎日新聞がそのようなことをするのかということです。もし、現在毎日新聞に対して巻き起こっている批判を沈静化しようとして行なったのなら、逆効果もいいところです。人の口に戸は立てられません。アップされた動画を削除したところで、それは毎日新聞に対する批判を強めこそすれ、鎮静化させる効果はないでしょう。誰かが自身のブログやWebサイトで毎日新聞問題を取り上げるとき、当該番組の内容が動画や画像で引用される可能性もあります。適切な引用である限り、権利者であるよみうりテレビですらそれを止めさせる事はできませんから、毎日新聞はどうしようもありません。ニコニコ動画にアップされた映像をいくら削除したところで、当該番組の映像がネット上に存在し得ない状態を作り出すことは不可能です。
はっきりいって、毎日新聞が動画を削除するように働きかけたのだとしたら、それは火にガソリンを注ぐ行為です。毎日新聞が本気でこの問題を沈静化させたいと思っているのなら、他にもっといい方法があるのではないでしょうか。
なお、以上はあくまで「仮に噂話が正しかったとしたら」という仮定の下に推論したものであり、実際はどうなのかを推論するものではないことを明記しておきます。