語呂合わせ馬券の極意

「馬券必勝法!」のようなトラックバックがきたら嫌なので競馬カテゴリは作っていなかったのですが(最近パチやスロのネタがないのはそれが理由)、どうやらそれは杞憂だったようなので作ってみました。まあそういうトンデモ予想は嫌いじゃないけど、それはあくまで遊びで考える範囲で、それで詐欺モドキしてはいけません。語呂合わせ馬券の元祖高本公夫氏を見習ってほしいものです。私は馬券は好きな馬を買う主義です。私の好きな馬というとやはりイマイチ馬。2着や3着には来るけど、どうしても勝ちきれない馬を応援したくなります。もちろん好きな馬が出ないレースの方が多いわけで、そういうときは真剣に予想したりもしますが、時に語呂合わせ馬券を楽しんだりします。
そんな私の語呂合わせ馬券で、一番思い出に残っているのはもう10年近く前のレースです。時は1999年。そう、1999年ですよ。1999年といえば、なにか思い出しますよね。そう、ノストラダムスの大予言です。

百詩集 10巻72番
1999年 7の月
恐怖の大王 天より降り立つ
アンゴルモアの大王を蘇らせ
その前後は 幸運によって火星が支配する

有名すぎる一節ですが、もう過ぎたことですし、これが何を意味しているかはどうでもいいです。重要なのは、1999年8月15日に行われた小倉記念。あの2頭が出走したのですよ。アンブラスモアとニシノダイオーが!
へっへっへ。旦那、アンブラスモアですぜ、アンブラスモアノストラダムスの予言解釈といえば、ヒスターをヒトラーの意味だとするぐらいのいい加減なもの。アンゴルモアをアンブラスモアの意味だと言い張ってもなんの違和感もありません。さらにニシノダイオー。どこら辺が恐怖かはさっぱりわかりませんが、ダイオーなんて名前が付いている以上、恐怖の大王の役をしてもらいましょう。
てなわけで買ったんですよ。アンブラスモアとニシノダイオーの馬連。外れてもネタになるし、というか外してネタにするイメージしかなかったんですが。で、結果です。

1着 [5]5 アンブラスモア  牡 6 56.0 須 貝 1:58.5(R)
2着 [4]4 ニシノダイオー  牡 8 56.0 河 内  ハナ
 馬連 4−5 7,120円

マジですか、これ?
後にも先にもこれだけです、ノストラダムスに尊敬の意を感じたのは。いや、本当にびっくりした。


で、思いついたんですが、と学会のノストラダまスみたく、予言解釈文を作ってみたらどうなるでしょう。1行目はそのまんまでいいですね。一月ずれているように見えますが、旧暦と新暦の違いという事で吸収できます。
2行目、恐怖の大王をニシノダイオーの意味だとすると、ニシノダイオーのどこが恐怖なのかこじつけないといけません。ニシノダイオーがその後海外遠征に行ったりなんかして、さらにフランスで勝ち星をあげてくれたりなんかしたら最高なんですが(ノストラダムスはフランス人)、そんなおいしい話はありません。となると、何とか「ニシノ」から「恐怖の」を導く必要があります。恐怖、恐怖ねえ…
と考えていると、一つ思いつきました。ニシノって、「西の」ですよね。西といえばなんといっても京都。なので、「恐怖」を「京風」と置き換えれば見事に「ニシノ→恐怖の」につながります!
天より降り立つの意味ですが、「天」の付く競馬用語といえば、やはり天皇賞でしょう。ニシノダイオーが同年の天皇賞春に出走していたらうれしいな、と思ったら、出てました、ちゃんと。あんたはえらい。しかも、天皇賞春から小倉記念へは直行です。「天より降り立つ→天皇賞から直行」でOKです。
3行目、アンゴルモア→アンブラスモアはいいとして、「蘇らせ」の意味をどうするか。アンブラスモア小倉記念勝利が一年ぶりの勝利、とかなら都合がいいんですが、残念ながら二ヶ月前のテレビ愛知オープンで勝ってます。チッ!(関係者の皆様、ごめんなさい)
じゃあせめて久方ぶりの重賞制覇はどうか…と思ったら、これが重賞初制覇だった。困ったなと思ったんですが、ここは逆に笑いを取るところではなかろうか。「なんでやねん」という突っ込みを期待して、「二ヶ月ぶりの勝利」としておけばいいんです。
最後の4行目、「その前後」ですが、これは当然1998年と2000年の小倉記念を指しますよね。そして火星といえば赤い星。競馬で赤といえば3枠。1998年と2000年の小倉記念で3枠の馬が勝ってないだろうか?
で、調べてみたら1998年の3枠はテイエムオオアラシ、そして、小倉記念の勝ち馬です。すごいぞこれは
続いて2000年の小倉記念ですが、3枠の馬はロサードとロードスター。ちょっと待て、確かロサードって小倉記念を2回勝ってたよな?ドキドキしながら調べてみたら、残念ながら2000年の勝ち馬はミッキーダンス。ロザードは3着に敗れています。2001年ならロサードが勝ってたのに、惜しい!って、2001年のロサードは3枠じゃないってば。
とはいえ、3着でも十分な成績ですから、これを採用しましょう。さらに2001年に勝っていることも補足しておけば完璧です。もちろん「2001年のロサードは3枠じゃないぞ」という突っ込みを入れさせないように軽く。
てなわけで、出来上がった解釈文は以下。

  • 百詩集 10巻72番

1999年 7の月
恐怖の大王 天より降り立つ
アンゴルモアの大王を蘇らせ
その前後は 幸運によって火星が支配する



第35回小倉記念に関する予言。
1999年7月は今の暦で8月にあたり、本レースが行われた1999年8月15日を指している。
2行目の「恐怖の大王」は「京風の大王」、すなわちニシノダイオーを指し、同馬が本レースに春の天皇賞から直行したことを表している。3行目の「アンゴルモア」はアンブラスモアを不完全ながら予言したもので、本レースで同馬が実に二ヶ月ぶりの勝利をおさめることを予言している。
4行目の「火星」は、赤の3枠を意味しており、本レースの前後すなわち第34回、第36回の小倉記念で、それぞれ3枠のテイエムオオアラシ、ロサードがそれぞれ1着、3着という好成績をあげることも予言している(尚、ロサードは第37回の小倉記念でも優勝している)。


1着 [5] 5 アンブラスモア  牡 6 56.0 須 貝 1:58.5(R)
2着 [4] 4 ニシノダイオー  牡 8 56.0 河 内  ハナ

…しかし、作ってて思ったんですが、本当にノストラダムスの予言って好きに解釈できますね。