たいようのマキバオー

先日、たいようのマキバオーの2巻を読みました。この作品はアニメ化もされた「みどりのマキバオー」の続編で、ミドリマキバオー(*1)の妹であるマキバコの息子ヒノデマキバオーが主人公(主馬公?)です。この作品は前作と違い経営難に喘ぐ高知競馬を舞台としており、その分ちょっと重い内容になっていますが、現在のところ良作であるといってしまっていいと思います。
で、2巻を読んで内容と関係ないところであれれ?と思ってしまったところがありました。巻末にある血統表なんですが、ヒノデマキバオーの血統、母マキバコは当たり前として、母父がサンデーサイデンスになっています。私なぜか、マキバコミドリマキバオーの全妹だと思い込んでました。しかしミドリマキバオーはタマーキン産駒。マキバコって、ミドリマキバオーの半妹だったの?てか、サンデーサイデンス産駒ならマキバコってブリッツ(ミドリマキバオーの半弟にして日本競馬史上最強馬)の全姉妹ってこと?
てなわけで前作のみどりのマキバオーを読み返してみたんですが、おおっと、確かにマキバコはサンデーサイデンス産駒でした。ていうか、ブリッツの双子の姉でした(*2)。なんでこんな重要な設定を勘違いしてたんでしょうね。
その原因をつらつら考えてみるに、やはり両者の容姿のせいでしょう。ミドリマキバオーマキバコは非常によく似ています。これが遺伝的要因だとすると、どうしても全兄弟にみえてしまいます。実際、ミドリマキバオーは半弟であるブリッツとは全然似てませんから。ちなみにブリッツは父親似と言われていましたが、同父であるカスケードやモーリアローとも全然似てません。これはカスケードやモーリアローが母親似なんでしょう。
それはともかく、あれだけ似ていて全兄弟ではないというのはちと驚きですが、気になったのは彼らの毛色。ミドリマキバオーマキバコも(そしてヒノデマキバオーも)白毛です。白馬というのはよく見かけますが、彼らは白毛ではなく芦毛白毛というのは突然変異でしか生まれないといわれていて、作中でもそう書かれています。しかしミドリマキバオーと同じ毛色(体型も)の馬は、作中で確認できるだけでもミドリコ(ミドリマキバオーマキバコ、ブリッツの母)が2頭(ミドリマキバオーマキバコ)、マキバコが2頭(ヒノデマキバオー、もう1頭はみどりのマキバオー最終話に当歳で登場)産んでいます。突然変異でこれだけ生まれるか?
となると仮説として、ミドリマキバオーその他は、体型その他の諸事情から白毛に見えているだけで、実際は芦毛ではないかと推測されます。芦毛なら、まあ普通ですからね。ただこの説には一点難点があって、芦毛の馬というのは両親のどちらかが芦毛でないと生まれません。ミドリコは芦毛ではありませんから、ミドリマキバオーマキバコ芦毛だったとすると、タマーキンやサンデーサイデンスが芦毛でないとなりません。タマーキンもサンデーサイデンスも作中には登場しませんから、彼らが芦毛であるという設定でも作品は成り立ちます。しかし、困ったことに彼らのモデルとなったトニービンサンデーサイレンス芦毛ではないんです。モデルはあくまでモデルですから、「トニービンサンデーサイレンスはともかく、タマーキンやサンデーサイデンスは芦毛だ」という主張は十分ありですが、ちょっとひっかかるものがあります。
まあ、ヒノデマキバオーは父タマブクロスで、モデルとなったタマモクロス芦毛ですから、今となってはどうでもいい話なんですけど。



(*1)…単に「マキバオー」もしくは「たれ蔵」と表記するのが一般的なようですが、たいようのマキバオーの話なので、ヒノデマキバオーと区別するためにフル表記します。

(*2)…ブリッツもマキバコも、双子でこんなに走るのか?という気はするが(ブリッツは言うに及ばず、マキバコ秋華賞馬)、そこままあ、マンガだから。