建国記念の日

今日は建国記念の日です。大日本帝国万歳!\(^o^)/日本ハジマタ


同じネタを二回も使うな。


それはともかく、この建国記念の日ですが、幼少の頃はずっと「建国記念日」だと思っていました。正しくは「建国記念日」なんですね。一見些細な違いですが、この部分には与党と野党のかなりの綱引きがあったようです。国民の祝日については基本的に国民の祝日に関する法律で日付が定められていますが(○月の第○月曜日とか春分日のようなものも含めて)、建国記念の日だけは「政令で定める日」となっていて、建国記念の日となる日を定める政令で2月11日と定められています。ややこしいですね。
この建国記念の日が2月11日となっている根拠ですが、記紀神話神武天皇の即位の日とされているからだそうです(紀元前660年で、当時の暦の1月1日。現在のグレゴリオ暦では2月11日にあたる。)。神武天皇自体が神話上の人物といわれていますから、その即位も当然に神話上の出来事なわけで、早い話が神話上の日付ということです。まあこれが中華人民共和国のように国家成立の確たる記録があるならともかく(*1)、日本のような国なら、いつ建国したかなんてもうわからないわけで、だからといって建国の日を記念しないというのも寂しい話ですから、神話を根拠にその日付に建国の日としての役割を与えるというのは十分ありでしょう。
さて、「建国した日を記念する」ということは日本に限らずたいていの国でやっています。まあ個人が誕生日を祝うようなものですから、やってない国のほうが例外といっていいと思います。前述した中華人民共和国や、ナミビアエリトリアのように比較的近代に成立した国家では、国家成立の日の確たる記録があるので、その日が国家の日となっています(ナミビアは3月21日、エリトリアは5月24日がそれぞれ独立記念日)。もちろん逆に、日本のように「国家成立の日がいつなのか、いまとなってはわからない」国もあるわけで、そういう国では(日本と同様)神話から日付をもってくることもあるようです。たとえば韓国の開天節は10月3日ですが、これは紀元前2333年、建国神話において檀君古朝鮮王国を建国したとされる日だそうです。
世界には多くの国がありますから、建国の日がかぶっている国もあります。日本の建国記念の日にかぶっている国があるかというと、これが見事にありまして、イランの国家の日イスラム革命記念日ですが、これが2月11日だそうです。もちろん狙ったわけであるはずがありませんが、国家成立の日は個人の誕生日とは異なり、狙うことも可能です。キューバ解放記念日スーダン独立記念日は1月1日だそうですが、これってやっぱり狙ったんでしょうね。
話は戻って日本の建国記念の日ですが、これを建国神話から引っ張り出すことには異論も多いようです。封建時代の日本もまた日本であり、これを否定することはおかしな話ですが、一方で、そのような歴史は歴史として、近代国家としての日本が成立した日こそが、建国の日として祝うべき日であるという主張には一理あります。候補には終戦記念日である8月15日とか、講和条約発効の日である4月28日とか、憲法記念日である5月3日とかがよくあげられています。確かに第二次世界大戦が終わり、現憲法が施行された後の日本こそが民主主義国家としての日本であるという主張は正しいと思います。しかしそれでは、過去の日本をあまりにも蔑ろにしていると思います。近代国家としての日本成立の日を建国の日とすることに同意するにしても、それを現憲法下の日本に限定することには寂しさをおぼえます。やはりここは、近代的な意味での憲法、すなわち明治憲法公布の日をもって建国の日とするべきではないでしょうか。明治憲法を民主主義国家の憲法と呼ぶことには異論もありましょうが、しかし近代的な意味での憲法であることには変わりないし、そうである以上、明治憲法下の日本もまた近代国家としての日本であると思うからです。もちろん、明治憲法公布の日を建国の日とすることには多くの問題があります。それらは色々考えられましょう。とりあえず、私がいま感じる一番の不安は…このオチが通じるかどうかです。


(*1)…10月1日。国慶節。1949年、毛沢東天安門で建国を宣言。