入れ替えて入れ替えて…

アナグラムとは言葉遊びの一つで、文字列中の構成要素を入れ替えることによって全く別の意味にさせる遊びである。たとえば

のようなものである(参考)。
さて、このアナグラム作品で、私が感動した作品集をひとつ紹介しよう。それは以下である。

タイトルで一目瞭然であるが、これはなんと百人一首アナグラムで、百首全部がアナグラムされている(九十九首という説もある)。これは傑作と呼ぶにふさわしいと思う。これらの作品のなかで、私が特に素晴らしいと思ったのは以下の二首である。

  • 第十一首

はげのひとよ あたまのかつら はとぬぎて
 やねにいでまし ふわりそこつけ
通釈:
髪の毛が不自由な人よ、頭の鬘をはっとばかりに脱いで、屋根に昇ってふわりとそこに着地しなさい。


第八十一首
なぎなたの ばかをありたけ きるときぞ
 あほだとのこる むれつつすがれ
通釈:
薙刀で馬鹿者を皆殺しにする時がきた。阿呆であれば生き残れるのだから、集まって命乞いをしなさい。

素晴らしいとしか言いようがない
一首や二首なら作ることもできようが、百首全部となるとこれは大変だ。眺めているだけで感動する。百首全部をアナグラムしているわけだから、一部ちょっと残念と思える作品もあるが、そんなことは枝葉にしか思えない。
知らなかった人はぜひ読んで頂き、私と同じ感動を味わってほしい。