ウェブそもそも論(の謎×10)

前回のタイトル、括弧がひとつずれていた。くっぱさん、および読者各位様、すまん。
くっぱさんの最初のエントリー読んだとき、「WWWの『情報の共有、結合』という理念は過去のものであり、現在では直ちに適用できない」という主張を含むと解釈したんだけど、違うのかな。違うのなら、その根拠が全然書かれていなかったのも納得なんだけど(主張していないことの根拠なんて書くわけがないのは当然)。
それはともかく、

「ウェブにおいて相手がリンクをする自由を制限できない」のは「ウェブが相手がリンクをする自由を制限『する機能を備えていない』」からであって、「ウェブが相手がリンクする自由を制限『できないようにすることを目的に作られた』」かどうかには依存しないのではないか

“「ウェブにおいて相手がリンクをする自由を制限できない」のは「ウェブが相手がリンクをする自由を制限『する機能を備えていない』」から”という考えには同意できないなあ…
仮に、「情報を互いに公開するけどリンクは許可制」という場所(そういう目的で作られている場所)なんだけどシステムに不備があり許可のないリンクが出来てしまう場所があったとする。そのような場所は「自由なリンクを制限する機能を備えていない」けど、でも許可を得ないリンクは不当です。なのでそのようなケースで「許可を得ないリンク」をされた場合に「俺はリンクされるのが嫌なんだよ。リンクを外せよ。」というクレームを付けるのは正当です。システムの欠陥は許可のないリンクをした人の行為を正当化しません。なので私は、WWWが「情報をお互いに公開し、自由に参照できる」場所(そういう目的で作られている場所)であることを重視します。そのような場所であるから、WWWが「自由なリンクを制限する機能を備えていない」のはシステムの欠陥ではないわけで、むしろ「自由にリンクできない」なんてことがないように作られているのです。
「情報を互いに公開するけどリンクは許可制」という場所が好きな人はそういう場所を使いましょう、なければ作りましょう、作れないからWWWを使うのならば、少なくとも、リンクされた時に『俺はリンクされるのが嫌なんだよ。リンクを外せよ。』という身勝手なクレームを付けるのは慎みましょう、と思います。

リンクされた側は「相手がリンクをする自由を制限できない」ことについて相手に文句を述べたとしても、その文句を言われる筋合いはない根拠として「できないようにすることを目的に作られた」を持ち出すのは変な話ではないかということです。

くっぱさんが変に感じるのは、もしかしたら“「情報を互いに公開するけどリンクは許可制」という場所(そういう目的で作られている場所)なんだけどシステムに不備があり許可のないリンクが出来てしまう場所で、システムの欠陥をついて許可のないリンクをすること”を正当な行為と考えているからかもしれません。

リンクをされたくない人が自分のサイトに相手からリンクをされたとしても、「なぜあなたは『自由に』リンクをするのですか?」と文句を言える筋合いにはありません。
しかし、そのようなリンク行為に対してリンクされた側が別の観点から文句を言う場合には、筋が通ることもあるような気がします。

WWWでは「俺はリンクされるのが嫌なんだよ」という理由で「リンクを外せよ」と要求するのは身勝手であり不当なクレームですが、正当な理由があれば「リンクを外せよ」といのが正当なクレームになり得るでしょう。私は「リンクを外せよ」という要求の正当な理由を思いつきませんでしたが(いくつか考えたが全てリンクの問題ではなくリンク先についてのコメントの問題に帰結してしまう)、くっぱさんはなにか例を思いつきますか?