ウェブそもそも論の(謎×8)

タイトルで遊ぶなという批判を受けかねなかったので、わかりやすくしました。って、別に何もわかりやすくなってないか。
それはともかく、

歴史は歴史であって、もはやその当初の目的はウェブの利用者全体における利用目的であるとは言い得ていないのではないでしょうか。

の根拠が書いてなかったんだけど、単なる個人の見聞きした範囲内での判断でしかない根拠に乏しい発言ということでいいのかな。とりあえず、WWWは現在においても「情報の共有、結合を実現することを目的とたツール」です。その目的以外で使いたい人が一人や二人ではないことは知っています。
でね、何を目的として作られたツールであっても、その目的以外で使用することはできます。マシュマロを毒殺目的で使うことはもちろん、ストーブを冷房目的で使うこともできます。WWWを「プライベート空間を作る」という目的で使用することもできます。でもね、自分の意思でツールの目的外の使用をした以上、目的が達成できなくても自己責任です。「リンクされたくない」という目的でWWWを使っても、WWWがそのような目的で作られていない以上、またWWWが「自由にリンクできない」なんてことがないように作られている以上、その目的が達成できなくても自己責任であり、他人に文句を言うのは筋違いです。
これはWWWに限ったことじゃない。「Aという目的を達成するために作られていないツール、ましてAとは逆の目的を達成するために作られているツールを、Aという目的で使った時に、その目的が達成できなくても自己責任」というただの一般論です。ツールは目的に合ったものを選びましょう。ということで、

その根拠に据えているのがウェブ設立の理念であるというあたりが変だと言っているのですが。

WWWというツールの目的は、現在でも「情報の共有、結合の実現」です。そうでないというならその根拠を示してください。「その目的以外で使いたい人は一人や二人ではない」というのは根拠になりませんよ(「ストーブを冷房目的で使いたい」という人が大勢いても、ストーブが暖房を目的とするツールであることは変わらない)。もしかして「Aという目的を達成するために作られていないツール、ましてAとは逆の目的を達成するために作られているツールを、Aという目的で使い、その目的が達成できなかったときに他人にクレームを付けることが変ではない」というのかな。たとえば、暑い時に「涼しくなろう」という目的でストーブに火をつけた人が、ぜんぜん涼しくならないから他人にクレームをつけてもおかしくないとか。
とりあえず「Aという目的を達成するために作られていないツール、ましてAとは逆の目的を達成するために作られているツールを、Aという目的で使い、その目的が達成できなかったときに他人にクレームを付けること」を変と思うかどうかだけ教えてほしい。

これって、自身の価値観の殻の中から外に向けられた一方的な発言であって一般性は言い得ていないということを表明したという形になっているような気がしますけど、それでよろしいのでしょうか。

「わがまま」って言葉を辞書で引くと「他人のことを考えず、自分の都合だけを考えて行動する・こと(さま)。身勝手。自分勝手。(大辞林)」ってあるんだけど、他人にマシュマロを食べさせて、「俺はお前を毒殺したくてマシュマロを食べさせたんだからお前死んでくれよ」というのが「それにはあたらない」と思うならご自由にどうぞ。ただ、「俺はお前を毒殺したくてマシュマロを食べさせたんだからお前死んでくれよ」という発言が「身勝手」「自分勝手」ではないという判断は一般的ではないと思うぞ。

つまり、ウェブ設立の目的や理念なんて関係なくクレームをつけるのは変ということにならないでしょうか。

なぜでしょう。WWWが「リンクは許可制」という理念の元に作られ、それが覆されていない状況にあるならば、仮に無断でリンクをすることが可能であったとしても、「無断でリンクするな」というクレームは正当なものです。

という前提もいったいどこから出てきたのかとても謎深いと思います。

WWWの「情報の共有、結合の実現」という目的を覆さない限り、「勝手にリンクするな」というクレームは正当なものになりません。