無安打勝利

メジャーリーグドジャースエンゼルスの試合で珍しい記録が出ました。

http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/index.html?a=14333
【ロサンゼルス28日=Ken Gurnick / MLB.com】ロサンゼルス・ドジャースが、ロサンゼルス・エンゼルスとの交流戦でノーヒットに抑え込まれながらも1−0で勝利。1900年以降の近代メジャーとしては、5度目の快挙を達成した。

なんと、ドジャーズは無安打勝利です。ノーヒットで点が入ること自体は珍しくないですが、ノーヒットのまま勝ってしまうのは滅多にない珍事でしょう。これで思い出したのが、1992年に東京ドームで行なわれた巨人阪神戦。阪神湯舟と巨人斎藤の投げ合いでした。
湯舟投手はこの試合の三ヶ月ぐらい前にノーヒットノーランを達成しており、この試合も絶好調。巨人打線をノーヒットに抑えます。しかし終盤に4四球で押し出しの一点を与えてしまい、巨人は斎藤−石毛のリレーでこの一点を守りきり、残念ながら湯舟投手は敗戦投手となってしまいました。巨人監督も「ノーヒットノーランをやられると思った」とコメントしていたぐらいの内容だったんですが、野球とは酷なものです。
さてこの試合で巨人は、9回佐藤選手がボテボテの間一髪セーフの内野安打を放ってノーヒットは免れています。しかしその安打は得点に繋がらなかったので、いっそノーヒットのまま勝っていた方が外野としては面白かったですね。
ノーヒット勝利の場合、失点にはエラーや四死球、ボークや牽制悪送球などが絡むことが殆どです。では可能性として、エラーや四死球、ボークや牽制悪送球などが絡まずに失点することはありうるでしょうか。現実問題としてはありえないとしても、パズルを解くみたいに可能性を考えることは楽しいです。問題は、どうやって一塁にランナーを置くかです。一塁にランナーがいさえすれば、後は二盗→三盗→本盗で一点です。エラーや四死球などがなくて、ランナー一塁にする方法はあるでしょうか。
私の考えた解答は以下。投手はツーストライクからワンバウンドになるフォークを投げます。打者はそれを空振りし、捕手は捕球します。投球がストライクでありさえすれば打者が空振りする必要はないのですが、まあ空振りしたことにします。第三ストライクを捕手が正規に捕球していませんから、打者は走者になります。いわゆる振り逃げです。ここで、捕手の送球が一塁に達する前か、あるいは同時に、打者走者が一塁に達すればセーフになります。この場合、送球の間の進塁ですからエラーにはなりません。
現実問題としては、捕手か一塁カバーの野手のどちらかがエラーをしなければ打者走者がエイトマン(*1)でもない限りアウトになるでしょうが、パズルの解答としては問題ないでしょう。問題は、投手の投球が記録上暴投にならないかということです。野球のルールについて詳しくないので、もしかしたら暴投になるかもしれません。なるとしたら、この解答は間違いですね。
さて、ノーヒット勝利の逆で、打者が全打席ヒットを放って負けることはあるでしょうか。理屈の上ではありえます。完封負けすらありえます。ヒットで出塁→牽制死、これを27回繰り返せば9回完封です。その間に相手が一点でも取れば打者全打席安打で完封負けとなります。さすがにこれは理屈の上の話で、実際にこんなことがあるとは考えられませんが、1イニングに限定すれば「打撃を完了した打者は全員安打を放ったが無得点」はあった記憶があります。無安打勝利と違って記録に残るものではないので私の記憶違いがあるかもしれませんが、先頭打者が二塁打、次打者がヒットで二塁ランナーが本塁を突くもタッチアウト、バッターランナーは二塁へ。その次の打者がヒットで一塁三塁、そしてスクイズを試みるも空振り、三塁ランナーが三本間に挟まれタッチアウト、その間に二塁を回って三塁進塁を試みた一塁ランナーが三塁でタッチアウトでチェンジ、だったような気がします。その時点では気付かなかったのですが、次の回でアナウンサーが「そういえば、前の回でアウトになったバッターはいないんですね」と面白そうに言っていたのが記憶に残っています。
ここでまたパズルを考えてみますが、上記の例では打者はアウトになっていませんが、その代わり走者の走塁死や牽制死、盗塁死等が必要です。このような走塁死や牽制死、盗塁死等がなく、かつ打者がすべてヒットを放って無得点ということはありえるでしょうか。現実問題は無視して、可能性として考えて、一つだけ解答を思いつきました。それについてはまた後日。


(*1)…巨人の原監督のことではありません。