市営地下鉄

大阪市内を移動する時は地下鉄を利用することが多々ある。車よりも便利だからだ。その大阪市営地下鉄の駅には、通常の駅名だけでなく英字+数字の番号が振ってある。http://www.kotsu.city.osaka.jp/information/station/subway_rosenzu.html
梅田なら「M16」といった具合だ。利点は多々あろう。難読駅名でも番号で伝えればわかる、漢字の読めない外国人に理解しやすい等だ。
まあ、前者は大して問題にならないだろう。大阪の代表的な難読地名「放出」や「十三」は市営地下鉄の駅にはない。地下鉄の駅でもっとも読みにくいのは「喜連瓜破」あたりだろうが、これだって谷町線の駅で「きれうりわり」と言われたらここしかあるまい。「天下茶屋」や「野江内代」あたりも読み間違いやすいが、これらは読み間違ったって十分通じる。
しかし普段漢字を使わない外国人はこうはいくまい。彼らは英字+数字の番号をメインで見ているかもしれない。これは地下鉄の社内アナウンスを聞いているとそう思う。駅番号は日本語アナウンスでは流れず、英語アナウンスのみに流れるのだ。
しかし、ちょっと困ったことがある。駅番号は英字1文字+数字2文字で構成されていて、英字は路線名の頭文字をとってある。御堂筋線なら「M」、谷町線なら「T」だ。となると、複数の路線が乗り入れている駅はどうなるのだろう?梅田駅なら御堂筋線しか乗り入れていないから「M16」で問題ないが、たとえば本町駅だと御堂筋線、中央線、四つ橋線が乗り入れている。その場合、駅番号はどうなるのだろう?実はこの場合、乗り入れているすべての路線の駅番号が付いている。本町駅だと「Y15」「C16」「M20」と3つ付いている。同じ駅に複数の駅名(外国人にとっては駅名に等しいだろう)が付いているのは混乱しないだろうか?
さらに、頭文字がぶつかった時に問題が出る。たとえば南港ポートタウン線は「N」でなく「P」である。「N」だと長堀鶴見緑地線とぶつかるからだ。とはいえ、南港ポートタウン線はさして問題ではない。「南港ポートタウン」を英字1文字で表すとしたら「P」を使うのはむしろ自然だ。「府立医大病院」を漢字一文字で表すとしたら、大抵の人が「医」か「院」を選び、「府」を選ぶ人は少数派だろう。それと同じことだ。しかし、そうはいかない路線がひとつある。堺筋線だ。堺筋線を英字1文字で表すとしたらどう考えたって「S」だろう。これしかあるまい。しかし、「S」は千日前線とかぶるのだ。仕方ないので、堺筋線は「K」になっている。英字を2文字にすればこういったことは回避できたと思うのだが、なんとかならなかったのだろうか?
さて、市営地下鉄は市外の方にもかなり伸びているが、四条畷(これも難読地名だな)方面には伸びていない。JRの学研都市線があるからいいのかもしれないが、市営地下鉄にも学研都市線を作ってほしい。駅番号が「G**」になり、「G13」という駅番号ができるからだ。駅番号は、拡張することを考えてか、始点駅には「11」という番号が付いている。中央線の始点駅である大阪港駅が「C11」という具合だ。市営地下鉄学研都市線ができたら、始点駅である京橋駅は「G11」になるだろう。では、栄光の(?)「G13」を獲得する駅はどこであろう?
仮にJR学研都市線と同じ駅配置になるとすると、鴫野が「G12」となり「G13」はあの大阪最強の難読地名「放出」になる。…しかしこれは便利なのだろうか?放出で待ち合わせと言うと通じないからG13で待ち合わせと言ったら「狙撃されそうだから嫌」と断られたりして。むしろ不便になるかもしれない。

…などという話を配偶者としていたら、彼女が名案を思いついた。
「放出駅だけ英字を付けずに数字だけにすればいいのよ」
「13だけ?」
「ううん。数字も変えるの」
「何に?」
「8710」

…参りました。