懲戒請求その3

山口県光市で99年に起きた母子殺害事件差し戻し控訴審弁護団(約20人)の弁護士に対して、全国で懲戒請求が相次いだ問題で、東京弁護士会が「正当な刑事弁護活動の範囲内で、懲戒しない」と議決していたことが分かった。
弁護士会が所属弁護士1人について調査した結果をまとめた22日付の議決書によると、この弁護士は「広島高裁の公判で非常識な主張をし、被害者の尊厳を傷つけた」などとして懲戒請求されていた。これに対し弁護士会は「社会全体から指弾されている被告であっても、被告の弁明を受け止めて法的主張をするのは正当な弁護活動。仮に関係者の感情が傷つけられても正当性は変わらない」と退けた。

まあそうだろう。「広島高裁の公判で非常識な主張をし、被害者の尊厳を傷つけた」などが正当な懲戒理由になるわけがない。
で、以前紹介したブログの筆者が面白いことを書いていた。

とある日のこと、
東京弁護士会より懲戒請求の決定書が届いたので報告しておきます。
開封すると以下の8枚が入ってました。
内容は、事情聴衆なしで、
被調査人(河井弁護士)を懲戒にしないというものです。
この事例に基づいて残りの弁護士会も同様の決定を下すと思われます。
(中略)
こんな事を書くと揚げ足をとられるでしょうが、
 まさしく想定内。
棄却されることがわかったうえでの今回の懲戒請求提出。
それでも一筆啓上しなければ憤りが収まらない・・・・・。
そんな思いが募り募った提出といえます。

懲戒事由がないことを知りながら請求したわけ?
なんというか、言葉が出ない。質問やクレーム感覚で刑事告発までやりかねないと思えるような発言である。まあ、ここまではっきり告白するのは逆に潔いが。


で、同じく懲戒請求をしたと思われる人のブログを見つけた。

全ての弁護士の懲戒請求が却下された旨の書面が莫大に送られてきます・・

膨大に送られてくるぐらい「懲戒事由のない懲戒請求」を出しまくったわけね。それで「却下された旨の書面が莫大に送られて」くるのは当たり前だが、この人にはそんな当たり前の話は通らない。

でもね・・・一つだけ言っておきますが・・・
この弁護団の全員は・・家族が何かの犯罪や事件に巻き込まれても
絶対に死刑廃止論を唱えて下さいね・・

弁護団は今回の裁判で死刑廃止論など唱えていないし、死刑存置論者もいる。そんな「調べたらすぐわかる」ことも調べずに思い込みで懲戒請求したのか。

私は普通の主婦です・・・

何をもって「普通」といってるのかわからないが、少なくとも、ろくに調べず懲戒請求する人は普通ではないだろうな。


それにしても、「自分の思うとおりにならない=他人が悪い」と考える駄々っ子は少なくないようだ。

で、この弁護士の活動について、懲戒処分請求を出す運動がネットで広がり、私も参加したわけです。
その結果・・・

<光母子殺害>弁護士は懲戒せず 東京弁護士会が議決
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071127-00000047-mai-soci
 山口県光市で99年に起きた母子殺害事件差し戻し控訴審弁護団(約20人)の弁護士に対して、全国で懲戒請求が相次いだ問題で、東京弁護士会が「正当な刑事弁護活動の範囲内で、懲戒しない」と議決していたことが分かった。 
 同弁護士会が所属弁護士1人について調査した結果をまとめた22日付の議決書によると、この弁護士は「広島高裁の公判で非常識な主張をし、被害者の尊厳を傷つけた」などとして懲戒請求されていた。これに対し弁護士会は「社会全体から指弾されている被告であっても、被告の弁明を受け止めて法的主張をするのは正当な弁護活動。仮に関係者の感情が傷つけられても正当性は変わらない」と退けた。
 懲戒請求を受けていた弁護士は「当然の結論だが、早く議決していただいた弁護士会には感謝したい」と話している。
 懲戒請求は、弁護士が所属する弁護士会に対して誰でもできる仕組み。光市事件弁護団への懲戒請求は、タレント活動で有名な橋下(はしもと)徹弁護士=大阪弁護士会所属=がテレビ番組で呼びかけたことをきっかけに爆発的に増えた。
 日弁連のまとめでは東京や広島など各地の弁護士会で計約7500件に達しているが、これまでに弁護士会が結論を出した十数件はいずれも「懲戒しない」と議決している。

とりあえず、明らかになったこと。
自浄能力無し。

他人の自浄能力を疑う前に、自分の自浄能力を見直すべきであろう。


さらにおもしろいことを書いている人もいる。

こういう身内に甘いお役所的な存在として弁護士会があるのなら、必要ないんじゃないでしょうか?
この日本には。
懲戒理由をきちんと理解できてないような気もします。
こうやって言葉を自分達の都合のいいように歪曲してまで身内を守る。
そんな所に懲戒請求だのなんだの自治的な役割を果たせるはずありません。

正当な懲戒事由がないなら懲戒しないのは当たり前の話であって、甘いとかなんとかいう話ではない。
「懲戒理由をきちんと理解できてないような気もします。」って、たとえばテンプレートに書かれた懲戒事由を、正当な懲戒事由だとして説明できるものならしてみてくれ
…それにしても、ブログタイトルに添えられた一文

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が、なんともいえない味を醸しだしている